水野 克泰さん

久留米はほどよい「街」加減。
片意地張ったり背伸びしたりしなくても暮らせるまちです。

水野さん(2)

プロフィール

水野 克泰さん

広島県尾道市出身。高校を卒業後、東京で音楽活動をしていたが、小さなきっかけから福祉の仕事に転職し神奈川県にマンションを購入して移住。子どもが生まれたことをきっかけに退職し、新たな人生として久留米市で起業。現在高齢者向けサービスを運営している

久留米への移住の経緯を教えてください。

49歳で子どもが生まれ、将来を考えたときに、子どもが16歳の時に退職を迎えて、果たして子どもを守れるのか、疑問に思っていました。その頃、妻の実家である久留米を行き来していると、義母が、「自分の美容室の一角を貸すから商売してみれば」と言ってくれて。でもその頃は仕事に責任もあり、任されることも嬉しく、神奈川のまちも大好きだったので、移住は全然考えられませんでした。だけど、起業について色々と考えてくれる義母の想いに真面目にならなければ失礼だと思い、真剣に考え始めました。

私は尾道出身なので、自然がある場所に住みたいと思っていて、久留米は自然が多くほどよい「街」加減。その頃ちょうどコロナが流行り、神奈川のマンションが、ローンの完済と移住の費用、開業の初期費用を賄える位の額で売れたので、妻の後押しもあり、移住を決断しました。

久留米の生活について聞かせてください。

移住した当初はまちなかでアパート暮らしをしていたのですが、2LDKの賃貸で駐車場を2台借りて5.5万円でした。東京都や神奈川県で長く暮らしていた私にとっては破格。およそ半分の賃料で済むイメージですね。

昨今の物価高騰によるところなのか、食品などが物凄く安いとは感じませんが、その分、お客様やご近所から新鮮なお野菜をいただくことも多くあります。

久留米には、お金では手に入らない多くのものが、あると思います。
たとえば美味しい空気や豊かな自然。安心して子どもと暮らせる環境やあたたかい人々。そして、ほどよくスローな時間は首都圏では中々手に入らないものと感じます。
そう言った意味では私にとっては全てがここにはあると思います。

あっ!欲を言えば海があれば全て揃いますね。

水野さん(7)

子育て環境や日常生活について、聞かせてください。

久留米に住んでいて、子育てに困ることを思いつかないですね。子どもも、保育園に行きたくないって言わないんです。すごく楽しいみたいで。子どもとは毎週出かけてます。久留米市内だと、土曜夜市も行ったし、市内だけじゃなく、うきはとか、隣町に遊びに行くこともあります。

 水野さん(3)コスモスパーク_農業まつり
(写真)
北野コスモスパークでのとうもろこし収穫体験

久留米市のお気に入りの場所はどこですか?

筑後川、一ノ瀬親水公園発心公園青少年科学館北野コスモスパーク石橋文化センターなどですね。子どもは週6回で保育園に通っているので、休日は子どもと過ごす時間なんです。ピクニックしたり、川遊びしたり、この前は青少年科学館に行ってきました。

家の近くの北野コスモスパークでは、6月にとうもろこしの収穫体験をしたりしました。あと、高齢者サービスの利用者さんとは、よく市役所の20階にも行ってますよ。久留米市を一望できるし、障害者の方が働いているレストランもありますよね?利用者さんも、あそこに行くと喜びます。

コスモスパーク北野

(写真)北野コスモスパーク

久留米で起業することについて難しさはありますか?

「何をするか」については、よく考えました。商売をするなら社会課題に一躍投じなければと感じ、同時に自分にはノウハウがあるし、高齢者サービスをしようと思いました。久留米は商売人が多いし、人もあたたかいので、いい環境だと思います。
起業にあたっては、県の福岡よかとこ起業支援金や久留米商工会議所の創業塾を活用しました。

(1) 起業支援金(福岡県事業)
よかとこビジネスプランコンテストという起業者によるビジネスプランコンテストにエントリーしました。結果は二次審査まで通過でしたが、福岡よかとこ企業支援金《起業時の対象経費の半分(上限200万円)》を活用することができ、広報物や車椅子や工具など事業に必要な品を安価に揃えることが出来ました。
https://fukuoka-yokatoko.biz/index.html

(2) 創業塾(久留米商工会議所)
久留米商工会議所が主催の新規開業者向けセミナーに参加しました。
中小企業診断士が講師で、事業計画書の作成や起業するうえでの悩み等を個別に相談することが出来たので、とても有意義でした。
また創業塾は、年に複数回の開催で、受講料も5,000円なので、たいへん受講しやすいものでした。
http://www.kurume.or.jp/consulting/practice/

(3) 移住支援金(国県市協働事業)
三大都市圏から久留米市へ移住し、移住支援金の要件を満たしましたので移住支援金を頂きました。
私にとっては、その要件が上記(1)の福岡よかとこ企業支援金の交付を受けていることがマストでしたので、コンテストのプレゼンで、さらに緊張したことを忘れません!
https://www.kurumepr.com/main/1486.html

 

高齢者支援サービス「ライフサポートサービスLan」

水野さん(5) 水野さん(6)

ライフサポートサービスLanでは高齢者向けのインフォーマルサービスを運営しています。
主な事業は以下の3つになります。

  • 介護タクシー
  • 高齢者向け生活支援サービス
  • 美容サービス

特長として、例えば車椅子で生活をされている方がお一人暮らしで通院が必要な場合、いわゆる介護タクシーの現地から現地までの送迎のみならず、ご希望に合わせ、介護タクシーを降りた後(病院内の付添い)のサポートもさせて頂きます。
ワンストップでご自宅~病院~ご帰宅までをサポートしますので安心して通院をしていただくことが可能です。
また在宅生活でのお困り事、お掃除や庭の手入れ、行政での申請事など、私たちで可能なことは、どのようなことでもサポートします。
人生100年。「もっと楽しく」を私たちと一緒に!をモットーに、人生の大先輩の生活をサポートさせていただくのが私たちの仕事です。

今後、移住を考えている方へのアドバイスやメッセージ

2年前(2023年時点)に久留米市に移住をしてきた、水野です。
3人家族で、神奈川県の葉山町というところから引っ越してきました。
これから移住をお考えのみなさんにメッセージということですが、久留米って、ほどよく暮らしやすいまちかなと思います。大きくもなく、都会でもないまちなかがあり、その周りを豊かな自然が囲んでいるようなまちです。片意地張らなくても、背伸びしなくても暮らせるところがとても私は好きです。